- Prologue -

自由気ままに旅をする青年は、今日も夜を明かす場所を探していた。
辺境の田舎ジェオルジ村に辿り着いた彼は、魔物の襲撃を受けている場面に出くわす。
青年には記憶がない。しかし、その剣の腕だけは確かだった。

魔物から村を救った礼としてしばらくそこに住みついていた彼だが、ある出会いが彼をその先の旅へと巻き込む。
突如屋根を突き破って落ちてきた少女は、『天界』はどこかと尋ねる。
彼女が語るお伽噺のような世界。その手がかりを探して旅立つという少女に巻き込まれ、青年も渋々付き合う事に。


一方、大陸一の規模を誇る『聖王国アルカンシエル』が、その魔の手を少しずつ伸ばしているのだった。
暴君と成り果てた女王は後継である王子を幽閉し、軍力を欲しいがままにしていた。
かつて王子に仕えていたはずの者達は、主を盾にされ、女王に従わざるを得ない。
自らの半身を戦場に奪われ、主さえも奪われたその女剣士もまた、そんな渦中の人物となっていた。