「やば!!
あれ、ここのアルマツィアにあった鳥型機械!!」

数十体の目玉がキュルキュルと音を立てて周囲を見渡したかと思えば、一斉にジストに視線が向く。

『目標:確認、全機体:オールグリーン、コード=KILL、状況開始』

電子音がそう告げた。

「伏せろ、姫さん!!」

ドドドドド、と銃撃が襲いくる。





ひとしきりの銃撃が止む。
何が何だかわからないままに伏せていたジストは、恐る恐る顔を上げる。
メノウの大剣が盾替わりになったようだが、ジストを庇った彼は無数の傷を作っていた。

「だ、大丈夫か、メノウ?!」

「こんなん掠っただけや。他の奴らは?」

「僕は平気・・・。カイヤも大丈夫そう?」

カルセの後ろでぶるぶると震えつつカイヤは何度も頷く。

「俺もヘーキ。右半身が蜂の巣だけど!」

「あぁぁアンバーさん・・・! すぐ治しますので・・・!!」

「くっそ・・・こんな狭い場所で射撃など・・・!」

「血塗れだぞコーネル?! 大丈夫か?!」

「掠めた場所が悪かっただけだ。こんなものなんてことはない!」

「フン。鈍臭い奴め」

「アクロ、貴様ッ!!」

一応全員無事らしい。

キュイーン、と高速で回転する金属の音がする。
機械が次の攻撃準備に入ったようだ。

「アンバー、盾になっとけ!! こいつら狙いは姫さんや!!
ぶっ叩く!!」

大剣片手に飛び出すメノウに続いてアクロとコーネルも剣で突っ込む。
外で金属を派手に叩きつけるけたたましい音が鳴り響く。

「僕も魔法で・・・」

応戦しようと試みるが、妙に感覚が違うと気が付く。

「カルセ?」

「・・・なんか、変。
いつもは何もしなくても魔法が使えるのに、今は・・・」

「カルセドニーさんはミストルテインの人だから、ここだと十分な力が出ないんじゃないでしょうか?」

「って事は、今のジストなら・・・」

「なるほど!
確かに、何かすごいものが出そうな気がする!」

何が出るかはわからないが、精神を集中してみる。
モヤモヤと紫煙のような霧が湧き出てくる。

「ジストさん、これ、幻術・・・!!」

うねるように外へ勢いよく飛び出る霧が機械たちに降り注いだ。




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