「アハハハハ!!最高ですねぇ!!
一小隊を1人で殲滅してしまうとは!!」

眼下には兵士の“残骸”が散らばっていた。
白く降り積もった雪の上に広がる鮮血は眩しい。

「さぁもっと!もっとですよ!聖女!!
貴女が望めば彼は全てを破壊できる!!
っくうう!!素晴らしい!!」

「リビアン。一体どういうつもりです」

鋭い眼光がリビアンに刺さる。
しかし爽快な惨殺現場に昂る彼は喜劇でも見ているかのように窓の外を見つめているのだった。

「無駄に資源を食い潰さないでいただきたい。
一時の快楽でここまでされると私とて黙って見過ごすわけにはいかない。
そもそも、貴方は私と主従の契約をした身でしょう」

「何か勘違いしているようですな、イオラ殿下?」

リビアンはゆっくり振り返る。

「それは聖女を手に入れるまでの間。
――私にとっては、貴方もジャマ、なのですよ」

歯を覗かせて笑う道化師のような男。
イオラはゆっくり立ち上がり、嫌悪と威圧の視線を投げた。

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