「あかんなぁ。
完全に毒されてもうた」

立つ力が残っておらず、虚ろな目で座り込むジスト。
周辺に生えるユキドケグサをサフィが手早く摘み取り、持ってきたカゴの中に入れて立ち上がる。

「一刻も早く村へ戻りましょう!
ジストさんが大変な事になってしまいます・・・!」

「おい、しっかりしろ、ジスト!」

コーネルが引っ張り起こそうとするが、ジスト自身はすでに意識が朦朧としているようだ。
抱えようと肩を担ぐが、コーネルも足に力が入らずよろめいた。

「王子、無理しない方がいいって。さっきの魔法のダメージ残ってるみたいだし。
メノウさん、ジストを頼める?」

「あぁ」

ジストを軽々と持ち上げ、背負う。
その様子を、鋭い目でコーネルが睨んでいた。

「ほらほら。王子、俺が肩貸すから」

「チッ・・・」

一行は急いで丘の道を下る。

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