「まったく信じられないな!
あの者達は王都を何だと思っている」

ブツブツと文句を垂れ流すジストを連れたメノウは適当に愚痴を聞き流しつつ南門へと向かう。

「あんさん・・・じゃ、なかったか。
姫さんは傭兵ってもんがどんなんか知らんかったか?」

「その職については知っていた。なんでも、凄腕が揃った仕事屋だと」

「せやなぁ。確かに、腕は確かやけど・・・人格が、な。
えぇか、今後は傭兵に簡単に気を許したらあかん。寝首掻かれるで」

「どうして?
まぁ確かに話からは学を感じなかったが、悪い者では・・・」

「よく聞き」

くるっ、と突然メノウは振り返る。

「ここは城の外や。どんな生活してたか知らんが、少なくとも王都から出た今、味方は少ないと思え。
他人は、まず疑え。はっきり言ってまうけど、このワイかて信用せぇへんようにな。
知っとるか? 姫さん、その首は桁違いの金額なんやで」

彼の指先がジストの首を指す。

「私の首?」

「せや。傭兵は、表向きは便利な万屋。やけど、裏は酷い。
それこそ、姫さんを殺す事を企む連中が、姫さんの首を取った奴に一生遊んで暮らして釣りがくるほどの褒美を出すと言っとるのを聞いた事がある。
ワイかて、護衛ちゃうんならさっさと姫さんの首かっ裂いて売り飛ばす事も簡単なんよ」

「賞金首というやつか。すごいな!まるで大泥棒にでもなったようだ!」

あまりに危機感が無さすぎる。メノウは内心で深くため息を吐いた。

「なぁ・・・頼むから、目的果たすまではワイに従ってや?
姫さん、死ぬで・・・」

「あぁ、勿論だ!
まずは何をすればいい?」

キラキラと目を輝かせる彼女に言い放った一言。

「とりあえず、黙ってついて来てな?」



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