今朝は早かったせいで、日が暮れる頃にはハイネはウトウトしていた。

「うたた寝はヨクナイですネ。ベッドでグッナイしないと、コンコンしちゃいマス」

イザナが舟をこぐハイネの肩に毛布をかける。
ふにゃりと笑ったハイネは、お礼を言って毛布に包まれる。

「うーん、今何時かな……。少し早いけど、今日は寝……」

何気なく懐中時計を開くが、針がぐるぐると狂っていた。
はて、とハイネは首を傾げる。
この動作は魔力を込めた時のものだが、今は手に持っているだけで何もしていない。

「えぇ、まさか壊れて……」

「ウッヒャー!!
スッゴイ魔力感じるゥ!!」

突然シエテが隣の部屋から飛び出してきた。

「な、なに、どういうこと」

「なんかこう、バーンって爆発しそうな! スッゴイやつ!!
ハイネわかんないの?!」

動きを止めて神経を尖らせると、肌にピリピリとした流れを感じた。

「……え、何これ。この感じ……」

「は、ハイネ――――ッ!!
“邪なる者”だ!!!」

アメリが叫びながら小屋の玄関を開け放った。




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