廊下の隅に追いやられるクラインと、尋問の姿勢をとるハイネ。
目の前で仁王立ちになり、彼の逃走を防ぐ。
「……それで、そのカードは所長からもらったと」
「うん。学会に来るべきだ~とかなんとか言われてな?」
「手違いで投獄されたようですね。
その点は失礼しました。部下に言っておきます」
「ヒューラン達は……
うちと一緒にいた3人はどこ?」
「別の牢でしょう。
場合によっては口封じも……」
「手出したらほんまブチ切れるでな。覚悟しとってや?」
クラインは面倒そうにわざとらしいため息を漏らす。
「所長に呼ばれたのならば、案内すべきところがあります。
ついてくるかはお任せします」
クラインはおもむろに歩き出す。もちろんハイネはそれを追いかけた。
訪れたのは地下だった。
まるで人の気配がないが、ガタンガタンと何かが当たる音がする。
最奥の扉の前で、クラインはハイネのカードを指さした。
「ここにそのカードを入れてみてください。
本物なら扉が開きます」
言われた通りに扉の横の機械にカードを入れると、カチッと音が響いて開錠された。
恐る恐るその扉を開けてみると――……
「こんにちは、ハイネさん。
いらっしゃったのですね」
所長――レムリアが長机に座っていた。
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