キーンコーンカーンコーン……――



終業を知らせる鐘の音を聞き、教鞭を振るっていた彼女はパタンと教科書を閉じる。

「では、本日の講義はここまで。
来週までに先程渡した課題集を全て解答して提出すること。
忘れたら単位落としますからね」

「カイヤ先生、容赦ないっす~」

「はい、そこのアナタ。あとで職員室」

どっと生徒達が笑い声を上げる。

「起立、礼~」

「ありがとうございました~」

言うや否や、座っていた生徒達はガタガタと賑やかな音を立てながら教室を飛び出していく。



その女性教師――カイヤが教壇の上の教材を片している途中で、女子生徒が1人やってくる。

「カイヤせーんせ! うち、この後空き時間なんですけど、またお手伝いに行っていいですかー?」

炎のような色の艶やかな長い髪が揺れ、澄んだ青の瞳はニコニコと微笑んでいる。

「えぇ、助かります。
……あぁ、そうだ。ついでと言っては何なんですけど、ちょっと買い出し頼んでもいいですか?
コーヒーが切れちゃって」

「わかりました! じゃあ買ってから研究室行きまーす!
それじゃ、また後で~」

少女は溌剌と手を振って教室を後にした。

-02-


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